海外転職をしたくて仕事を探しているけど、求人を探すときに注意すべき点にはどんなことがありますか?
失敗しない海外転職のためのアドバイスをお願いします。
転職といえど、日本国内の企業間で転職する場合と、海外の企業へ転職する場合とでは、仕事探しの注意点が異なります。
「フィリピン海外転職の実録」については以下で記事にしましたが、本記事では「海外転職での仕事探しの注意点」に焦点を当てます。
日本国内の企業間での転職経験と、海外企業への転職経験の両方を持つ筆者が「仕事探しの注意点7つ」を体験談を交えて共有しますね。
特に、海外での仕事を探している方は是非ご覧いただき、海外転職という夢を叶えてくださいね。
就労ビザサポートをちらつかせ劣悪な労働条件を強いる会社に注意
私は最終的にはフィリピン国内の企業に海外転職したのですが、ニューヨークという街が大好きで、当初は本気でニューヨークの企業に転職したいと考えていました。
ニューヨークで働きたい方は私だけではなく、多数いらっしゃいますよね。
だから就労ビザのサポートを条件にひどい労働条件を提示している求人が多々あります。
米国のみではなく一般的に就労ビザが取りにくいとされている国は同様です。
例えばこんな求人広告がありました。
「既存アカウント対応及び、新規開拓、企画、提案」というほぼ中堅レベル以上の業務内容にかかわらず、1000ドルから・・とは!
ニューヨークの物価を考えると生活厳しいですよね。
就労ビザサポートを条件に足元を見るような求人は、入社後に痛い目を見るのは明らかですので避けましょう。
「語学力不問」の求人は避けたほうが無難
私が海外転職でフィリピンに渡った時点でTOEICの点数は710点でした。
特にフィリピンという国は英語が上手いか上手くないかで、人の優秀さや品格まで判断するところがあります。
英語はフィリピンの公用語でありながら、第二外国語でもあるので家庭が教育熱心であればあるほど英語に力を入れるので、英語力でどんな家庭で育ったかが分かるのですね。
「英語で品格まで判断するなんてひどい!」と思うかもしれませんが、そういう文化でそこへ就職して自ら向かっていこうというのだから甘んじて受け入れるしかないでしょう。
「語学力不問」という求人に飛びついて実際入社して会社では問題がなかったとしても、実生活において語学が障壁になる場面もあるので、「語学力不問」に安易に飛びつくのは危険です。
私のフィリピンでの仕事は編集であり、それほど会社で口頭で会話をする時間は長くなかったものの、確かに英語力不足のためディスられるような経験をしたこともありました。
海外での仕事は楽しかったですが、少々悲しかった経験のひとつです。
結局、英語圏にいながら「レアジョブ英会話」のオンライン英会話レッスンを受け続け、さらに現地の日本人コミュニティは避けて日本語から遠ざかるようにして、なんとか英語力を底上げして乗り切りました。
フィリピンのように英語力で品格まで判断してしまいがちな国もあるのは事実です。
即決で採用通知が来る企業は避けろ
私が海外転職をするにあたり面談を受けた企業3社のうちの1社、中国国内の某企業とSkypeで面談したときの話です。
面接官は現地で勤務する日本人のマネージャーレベルの方でした。
その企業の求人は私の職歴とは少しずれるポジションで、私も多少乖離があるとは思いつつも話をまず伺ってみようと応募して面談してもらいました。
お話を伺う限り、やはり私の職歴と募集のポジションが乖離があるようです。
やっていくうちに覚えますから大丈夫です。
私、中国語は全くできませんが・・
そんなの大丈夫です。実際に中国に来てから覚えられますから。
・・って、いやいやいや・・
「とりあえず来たらすべて覚えられます」はいくらなんでも私できる気がしませんでした。
あまりにも採用を急いでいる企業だったので私の脳裏にはこのような思いがよぎりました。
このマネージャーさん、早いところ自分の後任を見つけて自分が辞めたがっているのでは?
海外では人の入社・退職のサイクルが著しく早いので「自分が辞めたいがために後任を誰でもいいから早く見つけたい」という意図で、すぐ採用通知を出してくれる企業も少なくないでしょう。
採用通知をもらうのは嬉しいですが、海外に渡ってから真実に気がついても遅いので安易に飛びつかないようにしましょう。
紹介した中国企業の求人は転職エージェントではなくて、誰でも求人が投稿できる掲示板上で見つけました。
面談を受けてから考えてみれば「誰でも簡単に求人が出せる=企業として計画的に求人を出さなくとも、自分の後任探しといった無計画な求人でも掲載できる」ということですよね。
エージェントに登録だけでもして怪しい求人を見抜けるだけの情報収集は必要だと痛感しました。
実際に私が登録した経験がありかつ信用のおけるエージェントのみ紹介しておきますね。
リクナビNEXT
情報量で選ぶのならリクナビNEXTが一番でした。
海外の求人掲載の数は多くはありませんが、”掲載されている企業が怪しくない”という理由でピックアップしました。
筆者は海外転職前に日本国内企業間での転職を経験しています。
そのときに最終的に入社を最終的に決めることができたのがリクナビNEXT経由の企業でしたので、身をもって信用できるからです。
今回の海外転職においてもリクナビNEXT上の自分のレジュメを更新して、情報収集しました。
実際、応募から採用決定までのプロセスで何もトラブルはなかったので、リクナビNEXTはおかしな企業が登録しないようスクリーニングがきちんとなされているのを体験しています。
ビザ欲しさに現地の配偶者を探すのは失敗の元
特に欧米など就労ビザのサポートを受けるのが著しく難しいために、現地の配偶者を見つけて配偶者ビザで働けばいいのでは?!とウソのようだけど真面目にそんなことを考えてしまったことがありました。
結局、私の場合は就労ビザサポートの受けやすい国に絞るという方法で海外転職を実現しました。
具体的には「フィリピン、シンガポール、中国」の企業に絞って仕事探しと面接をしています。
「就労ビザのサポート」は人の思考回路すら狂わせるものということが身をもって分かりました。
本末転倒なことにならないよう注意しましょう。
勤務先の外国人比率と上司の国籍を確認しろ
海外転職をするのだからと日本人が全くいない企業を希望する方もいれば、不安なので少しは日本人もいたほうが良いと考える方もいるでしょう。
面接時に、企業全体の外国人比率/日本人比率と、配属先予定の部署の外国人比率/日本人比率とを確認しましょう。
また、配属先の直属の上司の国籍のみでなく、上司の上司の国籍も確認しましょう。
勤務先の組織図がある程度把握できるからです。
勤務先が日本の企業文化で動いているのか、その国の企業文化で動いているのかが把握できます。
私の経験から言えば、概ねどこの国も「日本人コミュニティ」があり、日本人だというだけで日本人同士の会合にお声をかけてもらえます。
よって、勤務先に日本人がいなかったとしてもまったく日本人と触れ合えないということはまずないです。
内定通知が出るまで絶対に現職を辞めるな
今現在、日本国内で仕事を持っている方への注意です。
海外の企業と面談をして内定をもらい、以下で説明する下見を終えて、入社の意向を正式に連絡するまでは絶対に仕事を辞めてはいけません。
退職の意向があることすら匂わせてはいけません。
荷造りなど海外渡航準備に1ヶ月近く時間を要するので、前職を早く辞めすぎては損なのです。
海外渡航準備は前職の有休消化を利用するべきです。
実際、私も前職の有休消化中なのに、なぜかすでにフィリピンにいて就労準備をしていました。
私の場合、公式な記録上も前職の退職日の翌日が海外企業の入社開始日です。笑
引っ越し荷物の一部。船便なので日本→マニラ間で1ヶ月かかります。
そんなにかかると知りませんでした。
海外転職するとその就労期間は、日本の雇用保険の加入期間に加味されません。
(日本の企業の海外拠点だとしても、現地採用の場合は海外就労中は雇用保険の加入期間にはみなされません。)
日本でお仕事を持っているかたは無駄に雇用保険の期間を狭めるようなことをしないようにしましょう。
入社の意思を示す前に必ず現地を下見
海外の企業から内定をもらい、入社の意思を正式に示す前に、現地を必ず下見しましょう。
私は、内定直後、1日有休を消化し金土日の2泊3日でマニラに向かいました。
この時点ではまだ入社の意思は示していません。
「最終検討して○○日までに必ずお返事します。」とだけ連絡し、下見に向かいました。
下見で見ておく点は次のとおりです。
- 勤務予定企業の社屋
玄関から出入りする社員の姿を見ておくとなお良し。
勤務予定企業の側にカフェなどあれば滞在してみると良いでしょう。
社員もやってきて、思わぬ話が漏れ聞こえて来ることもあります。 - 居住するであろう地域の様子
車からではなくできればウロウロと歩いてみること。 - その国自体訪問が初めてであれば水や食べ物の確認
レストランも良いですが、居住地域周辺のスーパーマーケットやコンビニで買い物をしてみるのがおすすめです。
フィリピンには日本円でいうところの銭の単位の「センタポ」という通貨があり、小銭の種類が多い!
このような細かい文化の違いを事前に体感で慣れておけるかは仕事開始時の調子に影響します。
実際、下見をせずにいきなり家族ともども移住してしまい、家族の方が現地の生活に慣れずに帰国した同僚がいたのです。
仕事の前に、同行する家族含めて、その国の生活面での空気感を事前に知っておくことは非常に重要です。
私は下見のときに飲んだ水にアタってしまいました。
そんなプチトラブルを経てもなお、その国で働いてみたいかどうかを確認するのが、自分にとっての海外転職の最終試験なのだと思います。
私の場合は、内定後返事を待ってもらって急いで下見に出かけました。
それまで一度もフィリピンには行ったことがなかったにもかかわらず、内定の1週間後に下見をしています。
そのときはExpediaから「航空券+宿泊先」をまとめて確保しました。
私の場合は2泊3日で勤務予定地とその周辺の下見に加え、1日観光ツアーも手配し、タール湖(火山)というマニラ近郊の避暑地でハイキングもしてしまいました。
まとめ「海外で働くのは楽しい!でも仕事探しのときに注意を」
失敗しない海外転職のためのコツをお伝えしてきました。
海外で働きたい一心で、足元を見たような求人に引っかかってしまったりすることのないよう、是非注意をしてくださいね。
仕事探しの時点で細心の注意が払えれば、あとはそのまま飛び込んでしまって大丈夫です。
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