夏休みや長期休暇などを使って、海外でボランティア活動に参加したいと考える方も多いかと思います。
このようなときに生じるのがこの疑問。
ボランティアの需要はあるはずなのに、
ボランティアができる場所が見つからないな。
フィリピンに在勤・在住していた筆者ですが、仕事のない週末は趣味としてボランティア活動にいそしんでいました。
本記事では、ボランティアに参加する機会が見つけにくい理由と、海外での短期ボランティア活動の見つけ方を説明します。
フィリピンを例に筆者の体験談を交えて説明しますね。
ボランティアの機会が見つけにくい理由
海外転職でフィリピンはマニラに渡った筆者ですが、週末にボランティア活動をしようと思った理由は次のとおりです。
- 普通に道を歩いていると、そこに誰かの助けが必要な人達がいっぱいいるから
- たまたまボランティア活動の機会に誘ってくれた人がいたから
- ボランティア活動をすると気持ちが良いから
このような単純な理由です。
なんで”活動”としてでないとボランティアできないの?
ボランティア活動をはじめた理由「1.普通に道を歩いていると、そこに誰かの助けが必要な人達がいっぱいいるから」を見て、おかしいと思われたことでしょう。
カメラは向けていませんがスーパー前で物乞いの親子が毎日座っていた場所
「毎日のようにボランティアの機会あるのでしょう?」
「そこに人がいるならすぐやれば?」
と思われるでしょう。
でも、すぐできなかったのです。通り過ぎるだけで何もしてなかったです。
恥を忍んで言うと理由は
怖かったから
に他なりません。
一人でやるのは怖いから誰かと一緒にボランティア活動がしたいというのが本音でした。
実際のところは、ひとりだけでボランティア活動をしても怖くもないし問題も起こりませんが。
よって、今、一人でもいいからボランティア活動をやってみたいのだという方は、機会などわざわざ探す必要はないのです。
航空券と宿泊先だけを予約して、マニラに行きさえすればいくらでも活動場所は見つかります。
30分くらい街中をウロウロとしていれば、活動場所を見つけるのは簡単です。
ボランティアの機会が見つけにくい理由
「ボランティアの機会が見つけにくい」というのは、安全を確保するために誰かと一緒にできるボランティアツアーが見つけにくいということです。
ボランティアのきっかけ自体が見つけにくいわけでも、ボランティアの需要がないわけでもありません。
ツアーを組むには膨大な現地調査時間と人的コストが発生します。
ボランティアが必要な場所のうち、ツアー化できる場所なんて本当の一部だけです。
フィリピン国内で何かボランティアをしようと思ったときに、現地にいた私でさえ当初は「ボランティアツアー」を探していたため何も見つかりませんでした。
ボランティアツアーなど探しても見つからないはずです。
また、見つかってもツアーではあらゆるトラブルを避けるために、見学止まりで体験にはなりません。
ボランティアはしたいが誰かと一緒にという方へ
「ツアーではないが誰かと一緒にボランティア」でき、「助けが必要な人達と直接コミュニケーションが取れる」という条件で、短期の海外ボランティアが探せる方法をお伝えしましょう。
すべて私が参加したことがあるか、利用したことのある方法のみです。
facebookで機会を探す
なぜにfacebook?と思う方もいらっしゃるでしょう。
これはフィリピンの場合ですが、国民的にfacebookが大好きであらゆる告知や待ち合わせの時間設定まで何でもfacebookでやっています。
待ち合わせ時間が変更になったときも、その日はfacebookをモニタリングしていなかった私は一人で変更前の時間に集合してしまったこともありました。
マニラだとすれば、団体でボランティア活動をするグループを1つ紹介するなら、True Manilaへコンタクトを取るのをおすすめします。
マニラ滞在中に実際に私が一番お世話になったグループです。
マニラの鉄道の一つPNR線上で運営されているトロッコに乗り、活動場所に向かう途中
線路の左右に衣類やらテントやらが見えますが、線路の周辺に多くの人が住んでいます。
参加されるときは物を持っていても良いですが、その日にボランティア活動に出かける場所とその日のボランティアで集まった人数に応じて準備する食事の量を決めるので、手ぶらで行って良いです。
食料など買うときにその日のボランティア同士で割り勘で買うので、そのときに他のボランティアさんと相談して買う量を決めましょう。
その他のSNSで探す
facebook以外にはmeetupなどで各地域のボランティアの機会を探せば良いでしょう。
機会を探したら次のことを確認しておきましょう。
- ボランティア活動のために日本から現地に出向く場合は、場所や時間などと共に
「在住者ではないがあなたのグループの活動に参加するためにわざわざ日本から来るんだ」
ということを伝えておくと、ドタキャンの目にあうことが減る”かも”しれません。 - 費用について。費用とは食事や文房具などをプレゼントするときはその費用です。
また、活動運営費的なものを取っている場合は、それが相応な値段と判断すれば支払えば良いです。
個人的には前払いのようなところは止めたほうが良いと思います。
ツアー以外で前払いのボランティアには私は参加したことがないです。
ツアーではないボランティアに参加するときの注意
上記で紹介した自分でボランティアの機会を探す方法をとるときの注意です。
開始時間の遅延がある
日本人だと時間きっちりになんでも始まると思いがちです。
フィリピンの場合ですが、フィリピンタイムというのがあり時間に遅れるのは普通のことです。文化だからしかたがない・・
でも、自分は遅れないようにしましょう。
運営は適当であることを前提に
ツアーでもなく大組織でもなく、このように個人でボランティアを集めているグループでは、皆さん別に本職があって余暇の時間でボランティアグループを運営しています。
開始時間の遅延はもちろん、連絡が取りにくいとか場合によっては直前キャンセルも多々あります。
上述のトロッコで向かった先です。暑いので声を掛けると外に出てきてくれます。
日本人から見ると「なんて適当なんだ!」と思うことばかりですが、適当でもなんでも「みんなでボランティアやろうよ!」とノリで楽しんでボランティアをするのがフィリピンなんですよ。
助け合うのが美徳の国です。
普通の山登りや遊びのグループでも「●●HELP」とか「○○Together」とか助け合いの精神を盛り込んだグループ名が多かったりします。
みんながボランティアのグループ立ち上げているので、機会だけは山程あります。
皆さん趣味とノリで運営しているので、ツアーみたいに超きっちり計画通りいくものはありませんが!
自己責任で参加すること
ツアーでもなく組織がビジネスとして運営しているのではないので、保険の加入などもありません。
私自身はこれまで危険な思いをしたことはないので、今こうして元気に過ごしていますが、ボランティアの参加は自己責任になります。
組織として計画的に参加できるツアーもいくつかありますが、マニラの中だと私は以下のスモーキーマウンテンの見学ツアーくらいしか知りません。
やっぱりツアーでないと不安な場合
「自分で個人グループ主催のボランティアを探して、自己責任で行けば良い」とは言ってみたものの、実際はお子さんの経験としてのボランティアだったりする場合は、敷居が高いです。
スモーキーマウンテンのツアーは私も参加したことがありますので、内容を紹介しておきます。
スモーキーマウンテン(Smokey mountain)のツアーの内容
マニラのゴミ山、スモーキーマウンテンのツアーの内容を体験談として紹介します。
- 親子で学ぶフィリピン・マニラスタディツアー4日間 (HIS公式ページへ)
- フィリピン・マニラで貧困問題を考える5日間(HIS公式ページへ)
ツアーとしては親子用と大学生用とがあります。
スモーキーマウンテンのツアーはボランティア活動ではないです。
私もボランティア活動かと思って参加したのですが、行ってみたらスタディーツアーという言い方が正解でした。
上記のHIS公式ページの説明には「ストリートチルドレンとの交流を通じ」とありますが、交流というと少し違います。
スタディーツアーとして住民の暮らしを”見学”させてもらうかたちです。
ツアーは公式なNGOが運営しており、英語が話せる専任のガイドがつきます。
”スモーキーマウンテンツアーガイド”という名前なのでガイドが仕事です。
近隣住民のうち(※)英語が話せる方がガイドとして働いています。
スモーキーマウンテン(Smokey mountain)とは
マニラのゴミ集積場である俗称スモーキーマウンテン(Smokey mountain)。
マウンテンという名前ですが、自然にできた地形のことではないです。
堆積したゴミで出来た人工的な小山です。
Tondo(トンド)という地域にあります。
私はスモーキーマウンテンのツアーに参加した後、まったく別の機会にトンドに今度はボランティア活動として行ったことがあります。
このときは知人の車で分乗して出向きました。
実際は、スモーキーマウンテンまで自力で行こうとすると車がないとほぼ不可能なので、日本から来る場合は、ツアーで連れて行ってもらうのがやはり現実的かとは思います。
スモーキーマウンテンは、小山というよりひたすら埋立地が続いているような感じです。
コラム【フィリピンでのちょっといい話】
フィリピンの紀伊国屋かジュンク堂といえばNational Book Store。
フィリピンで大きな本屋といえばNational Book Storeというくらい幅をきかせている本屋さんです。
フィリピンのSNSといえば、Facebookが圧倒的なシェアを持っているのですが、National Book Storeがフィリピン各地でやっていたキャンペーンが素敵だったのです。
5年以上前のキャンペーンでしたが紹介しておきます。
「あなたが読んだ本について語った動画を、National Book Storeのタグを付けてFacebookにアップしてください。
その動画の本数と同じ冊数の本を、恵まれない子どもたちにNational Book Storeが寄付します。」
というキャンペーンです。
本を読む、寄付がなされると同時に「感想を発表する場」も提供しているところが優れたキャンペーンと思いました。
さらにすごいところが、私のフィリピン人の元同僚たちも5,6名がキャンペーンに参加していましたね。
こういうちょっとしたボランティア活動を本当に自然にサラッとかつ楽しんでやるんですよ、フィリピンの人々は。
そういう、にくいカッコよさを身に着けたいです。
まとめ
ボランティアに参加する機会が見つけにくい理由と、海外での短期ボランティア活動の見つけ方をご説明しました。
「ボランティアの機会が見つけにくい」と言われているのは、誰かと一緒にできるボランティアツアーが見つけにくいためということだけ知っていただけたら幸いです。
筆者個人としては近い将来、我が家の子供が物心ついたら、今度は子供も一緒にマニラを訪れて、ボランティア活動かスタディーツアーに参加したいと考えています。
本記事でご紹介した団体やツアーのリスト