「AI、人工知能が発達して人間を超える転換点に大きな変化が起こる」とされるシンギュラリティ(技術的特異点)。
一説には 2045 年とされています。
「シンギュラリティ」について、AI研究の第一線を走るGoogleのコンテンツを調査していまして気がついたことがあります。
「シンギュラリティ」という用語はGoogleではタブー用語のようです。
AI関連ニュースの第一報ならAI関連の開発者ブログ(英語版)へ
「シンギュラリティ」については以前「人口知能が人間を超えるとき」という記事で少々言及しました。
シンギュラリティというトピックには非常に興味がありまして、技術全般に関して世界の最新情報をどこから得るのが良いのかということを考えました。
技術ニュースの第一報が出るソース
私以前、海外某IT企業の研究所内で解析結果をレポートとしてまとめるという、翻訳・編集の仕事をしていました。
そのときの経験上、研究・開発の現場において何か新しい発表がある場合、以下のような手順で情報公開がなされていました。
まず、解析した解析者本人の手で「技術的な解説を第一報として報じる」ため、企業の公式の”ブログ”で情報公開。
その後、解析者以外例えばPR部門や広報などが、対社外への一報という視点で企業の公式見解としてHP上で報じる(第2報)公開という手順を踏みます。
技術情報で1番早い公式発表は「解析者本人の執筆する記事(主にブログ形式)」となりますね。
AI関連ニュースで第一報が出るソース
開発研究分野でのトップリーダーは、私も神と崇めますGoogle先生でしょう。
もはやGoogle先生に私のすべての個人情報が握られているといっても過言ではありません。笑
AI関連での一番情報の早いソースといえば、そんなGoogle先生のAI関連の開発者ブログでしょう。
開発者ブログにも英語版と日本語版とがありますが、日本語版の方は翻訳というタイムラグが生じるため公開が遅いので、第一報は英語版をご確認ください。
GoogleのAIブログ内を「Singularity」で検索してみた
Google先生のAI開発ブログ内で「Singularity」の用語で検索してみました。
これが、一切ヒットしないんですよ。
すなわちAIについて語るブログながら「Singularity」という用語を避けて書いているということです。
job less, stealing job, steal job(仕事を奪う)あたりで検索しても、一つも記事がヒットしないか全く無関係の記事が数記事検索されるかどちらかです。
job opportunity(求人)でヒットする記事の内容も「job opportunityをprovideする」とか「more job opportunity」とか仕事が増えるなど前向きな意味で使われる単語が使用されている記事ばかりです。
やはりAI分野でもトップを走るGoogleとしては「シンギュラリティが仕事を奪う」という話題はタブーなんでしょうね。
触れてほしくないのでしょう。
Googleがシンギュラリティについて語っている動画
Google発行のコンテンツではシンギュラリティについては触れられていませんが、GoogleのDirector of EngineeringであるRay Kurzweil氏が、米国テキサス州で開催されたSXSW Conferenceでこう語っています。
“By 2029, computers will have human-level intelligence,”
(2029年にコンピューターが人間のレベルを超える時が来る)
シンギュラリティは2045年に来ると一般には言われていますが、Kurzweil氏によると2029年とのことですね。
動画がありますので合わせてご参照ください。
おわりに「シンギュラリティを語ったこの記事はGoogleに嫌われるはず」
テクニカルライティングも生業の一部である私としましては、開発者ブログでさえ1ミリの隙のないGoogleはやっぱりすごいなーとコンテンツ制作の面からも感嘆したのでした。
- AIが仕事を奪うか知りたい非AI業界のユーザー
- AIで飯食っているので情報見つけられたら困るAI業界のユーザー
なんだか「AI業界の人々と非AI業界の人々の戦い」を見たような気がしましたよ。
そして「シンギュラリティ」について語っているこの記事は、この話題に触れられたくないGoogle先生に完全無視いただくはずです!
是非、GoogleのAI関連の開発者ブログ 内で「Singularity」や「job less, stealing job, steal job」のような単語で検索してみてください。
AIにより人間の現在の仕事がどうなるのか、方向性が見える気がします。