特別養子縁組で迎えた男の子を養育中の、筆者ミミウサです。
特別養子縁組や里親制度について知ろうと思うとき書籍や記事の著者は、養親だったり縁組を支援する医師・福祉関係者など大人であることが大半です。
ですので、特別養子縁組や里親制度にて迎えられた養子・里子という子供側の気持ちが垣間見られる、本や記事は貴重ですね。
そんな子供の気持ちを描いた書籍10冊とWebサイトを集めました。
いま、幸せです
事情により産みの親御さんが育てられず養子となった子ども達15人の声を集めた書籍。
子どもたちは、今、産みの親をどう思っているか?
養親についてどう思っているか?
が垣間見られる本です。
もうひとつの親子
8人の養親と4人の養子が、自身の気持ちを語ったインタビューをまとめた書籍です。
それぞれの養子へは成人した養子へのインタビューとなっており、子供が今を語るのではなく
成人してから冷静にそれまでの人生を振り返っています。
養子縁組を考えたら読む本
副題「~これから親になるあなたに知って欲しい20のこと~」
- 養子にくる前に深い喪失感に苦しみました。あなたのせいではありません。
- 私には養子縁組の喪失体験で生じた特別なニーズがあります。私は、そのことを恥じなくてもよいことを、教えてもらう必要があります。
- 喪失を悲しまなければ、あなたや他の人たちからの愛情を受けとる私の能力は、妨げられてしまうでしょう。
- 私の癒されていない悲しみが、表面的にはあなたへの怒りとして現れるかもしれません。
- 喪失を悲しむのに、あなたの助けが必要です。どうやったら、私が養子であることについての感情に触れ、その感情を確かめることができるのかを教えてください。
- 私が産みの家族について話さないからといって、それは産みの家族のことを考えていないということではないのです。
- あなたに、私の産みの家族についての、会話の口火を切って欲しいのです。
- 私は、私の受胎と誕生、そして家族の歴史の真実を知る必要があるのです。その詳細が、どんなに苦痛に満ちたものであっても。
- 私が悪い赤ちゃんだったから、産みのお母さんが私を他人にあげてしまったのではないかと怖れています。あなたに、この毒のような恥の感情を捨てる手伝いをして欲しいのです。
- あなたが私を、捨てるのではないかと怖れています。
- 私は本当の私よりも「完全」に見えるかもしれません。私が隠している部分を明らかにするのをあなたに助けてもらう必要があります。私のアイデンティティのすべての要素を統合できるように。
- 私は私自身に力があるという感覚を、獲得する必要があります。
- 見た目もすることも、あなたにそっくりだと、どうか言わないでください。私たちの違いを認めて、あなたに祝って欲しいのです。
- 私の自己を確立させてください……でも、あなたから切り離さないでください。
- 私が養子であることについて、私のプライバシーを尊重してください。私の了承なしに、他の人に言わないでください。
- 誕生日は私にとって、つらい日かもしれません。
- 自分の診療記録を完全に知らないことは、ときには、苦痛の種になります。
- 私は、あなたの手に余る子になるのではないかと、怖れています。
- 私が恐怖心をとても不快なやりかたで吐きだしたときには、粘り強く私と一緒にいて、賢明なやりかたで応えてください。
- たとえ私が生まれた家族を探そうと決断しても、私はいつもあなたがたに私の親でいて欲しいのです。
全ての養子がシェリーさんと同じ境遇・気持ちではないと思いますが、養親だけではなく、養子に接しようとする全ての大人が知っておきたいことばかりですね。
トレイシー・ビーカー物語
児童養護施設で暮らす10歳の女の子「トレイシー」は、自分の面倒を見てもらえる里親を探してもらっている最中。
でも、トレイシーは、本当の母親が迎えに来るまでの間だけ、里親に面倒を見てもらいたいと考えています。
地域の新聞の里親募集のコーナーで紹介されたトレイシー。
施設での生活や里親を待つまでのトレイシーの気持ち、実親を思いやる気持ちが、ユーモアたっぷりに描かれた物語です。
ねぇねぇ、もういちどききたいなわたしがうまれたよるのこと
民間斡旋団体さんの説明会などで良く紹介されるのが
「ねぇねぇ、もういちどききたいなわたしがうまれたよるのこと」
「もういちどききたいなわたしがうまれたよるのこと」と
繰り返し聞く子供とお母さんとの会話で展開される物語です。
子ども向けの本ですが、養親や里親が、養子の気持ちを知り
たからものはなあに?
2009年の全国学校図書館協議会・選定図書にも選ばれています。
「たからものはなあに?」は、作:あいだ ひさ氏・絵:たかばやしまり氏による
対象年齢は4歳から。
トムのほんとうのうち
「ぼくは、お父さんとお母さんが選んでくれた特別な子どもだ」と信じていた養子の少年トム。
血のつながらない親子が真の家族になるまでを描いた絵本
「トムのほんとうのうち」は、スコットランド文化庁賞を受賞している作品です。
特別養子縁組の子供の気持ちが垣間見られる資料
各種書籍の他、特別養子縁組や里親制度で養子・里子となったご本人がその気持ちを語っていらっしゃるサイトや資料が公開されています。
(一般社団法人 ぐるーんさんより)
- 里親家庭からのメッセージ
(堺市のHPより)
中学生・小学生・すでに成人した元養子など、様々な年齢の方が自分の言葉で気持ちを語っています。
(Tokyo里親ナビより)
成人された元里子が自身を振り返りながら語っていらっしゃいます。
(ハッピーゆりかごプロジェクトより)
特別養子縁組の(養子)当事者の立場から講演活動もされています。
明石市役所Youtubeより
THREE FLAGS -希望の狼煙-様のYoutubeより
まとめ
特別養子縁組の養親の立場である筆者が、日頃から常々思うのが
「あなた、家に自分の養子が住んでるんだから、気持ちを何でも聞いたらいいじゃない」
もちろん気持ちを何でも聞くのですが、ちょっと回り道をしながら聞いてみる、そんな気持ちです。
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