フィリピンの病院事情!輸血したくば血液買え

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ミミウサ
ミミウサ

海外移住してフィリピンに住みたいと考えています。
心配なのがいざというときの病院。

フィリピンの病院事情はどうですか?

フィリピンに海外移住し、在住・在勤していた筆者が、フィリピン病院事情を紹介します。

病院にお世話になった際のエピソードなど「フィリピンで病院に行くとこうなる」という実体験を中心にお伝えします。

フィリピンの病院数は?

フィリピンの有力新聞紙のひとつINQUIRERによる統計によると、2017年10月現在、フィリピン国内には476の公立病院と960の私立病院があります。

また、322の政府診療所と312の私立診療所があります。

日本だと病院ごとで値段はほぼ同一、少なくとも処置に対する値段は点数で一律に決まっており、同じ病気で病院にかかった場合に病院間では値段にほぼ差がありません。

フィリピンの病院の場合、処置に対する値段はバラバラ。良い治療を受けたくばそれなりの額を払えというわけです。

フィリピンの健康保険

フィリピンの健康保険の種類について説明します。

公的医療保険制度フィルヘルス

フィリピン健康保険公社(Philippine Health Insurance Corporation(PHIC))が運営している公的医療保険制度フィルヘルス)というものがあります。

フィルヘルス

引用:Philippine Health Insurance Corporation

フィルヘルスの保険料は、次のとおりです。

  • 政府機関、民間企業、中小企業、家事代行サービスを利用する個人や団体と雇用関係にあるメイド等として従事している場合:
    準報酬月額が1万ペソ以下の場合は定額275ペソ、1万ペソ以上4万ペソ未満の場合は標準報酬月額に2.75%を乗じた額、4万ペソ以上は定額1,100ペソ。
  • ストリート・ベンダーや乗り合いタクシー運転手、自営業等として従事している場合:
    標準報酬月額が2万5千ペソ以下の場合は月額250ペソ、2万5千ペソ以上の場合は月額300ペソ。

ただ、フィルヘルスが適用できるのは公立病院のみです。

また、病院で一度全額を現金で支払わなくてはならず、支払えば後からお金が戻ってくる仕組みです。

フィルヘルスへの加入率は2011年3月現在で約8千800万人(人口の約94%)まで増加したとのことですが、公立病院のみで、かつすべての医療費を仮払いしなければならないので、実際に利用できている人はもっと少ないでしょう。

フィリピンの公立病院

フィリピンはマニラの数少ない公立病院の一つPhilippine General Hospitalの正面玄関

その他の医療保険

上述のとおりフィルヘルスでは公立の病院にしかいけません。

筆者の勤務先企業ではMediCardと呼ばれる、医療保険を企業の福利厚生の一環で従業員を加入させている企業もあります。

MediCardでは市立の病院にも対応しています。

フィリピンの病院で診察を受ける

フィリピンで筆者が病院に行った理由は次の場合でした。

  • 熱があったとき(複数回)
  • 口内ヘルペスができたとき
  • 献血に行った時

幸い、筆者は全く大病などなく、病院に行くのはせいぜい熱が高い時が主です。

フィリピンの病院ではどのような流れで診療がされたか、共有しましょう。

フィリピンで病院で診療してもらうときの流れ

筆者の場合は、勤務先の福利厚生の一環でMediCardが支給されており、このカードを持っていると提携病院であれば、風邪など特殊医療以外は診療は無料です。薬代は別途実費です。

1. 病院に行く

自宅から一番近いMediCard提携病院に行きます。歩くのが辛いときはタクシーを使うことも。

2. 受付をする

日本の病院と同様で、名前、電話番号など基本情報を申し込み用紙に記入し、症状を話します。

ここで熱を測ってくれるのですが、日本だと体温計が渡されて「はい、測って自分で用紙に記入してください」というところですが、筆者の病院では耳でピッとするタイプの体温計で看護師さんが測ってくれます。

3. 診療を待つ

診療をしばし待ちます。

4. 名前を呼ばれたら診察室に入る

診察室に入ったら症状を述べると、喉の奥を見たり胸の音を聞いたりと日本の病院と同様のチェックをしてくれます。

日本の病院よりもかなり丁寧な診察という印象です。少なくとも診察時間は日本より長い!

5. 薬を受け取る

薬が処方された場合は、病院内の薬受け渡しカウンターでお金を払って受け取ります。

以上が、フィリピンで病院に行くときの一般的な診療の流れですが、日本とほぼ同じですね。

フィリピンで診察を受けるときのプチアドバイス

フィリピンで診察を受けるときに役立つちょこっとアドバイスです。

通常患者も急患受け付けを使える

日本だと救急病棟は本当に急患でないと出入りすらできませんが、フィリピンでは待たされても良ければちゃんと見てくれます。

少なくとも筆者がいつもかかっていた病院では・・

このMediCard、なぜだか病院が休みで急患のみを受け付けている曜日に、急患病棟で診察を受けることもできるのですよ。風邪くらいなら同じく無料で。

一度、病院が休みの日でしたが風邪がつらく救急病棟に行きましたが、筆者は急患ではないのでえらい待たされましたがちゃんと診てもらえました。

医療用語は紙に書いて見せる

また、症状を説明するときは英語で説明するわけですが、医療用語なんて普段使わないのでなかなか出てこないものです。

いつも飲んでいる薬の名前や臓器名など、使い慣れない単語は、病院に行く前に辞書で調べてメモ用紙に書いておいて見せると良いですよ。

筆者もTranexamic acid(トラネキサム酸)という単語を必死に口頭で伝えても、発音が変だったのかなかなか伝わりませんでしたが、紙に書いて見せたらスムーズに伝わりました。

フィリピンの輸血・献血事情

フィリピンで大病などした場合の輸血事情を紹介します。

フィリピンの病院事情 輸血と献血

日本では大病で輸血が必要になった場合、多くの人の善意の献血のおかげで無料で輸血用血液がもらえますよね。

フィリピンでは血液は買うもの

フィリピンでは”血液は買うもの”です。

もしくは、輸血が必要な患者の家族や友人が、ツテをたどって献血を呼びかけて血液を集めるものです。

フィリピンに住んでいると、勤務先の社内一斉メールや、SNSのタイムラインにこんなメッセージが送られてくることがあります。

Help Mr.****’s beloved mother!

She is in heavy illness.
She needs an emergency blood transfusion.

Currently she is in St.AAA hospital along Edsa.

Her blood type is A.

She needs your blood donation.

(Mr.****のお母親を助けるためにご協力をお願いします!

彼女は重い病気で、緊急輸血が必要です。

現在、彼女はEdsa道路沿いのAAA病院にいます。

彼女の血液型はAです。

献血にご協力をお願いします。)

このお母さんの家族はどのように輸血用血液を集めるのでしょうか。

フィリピンで献血をするときの流れ

このお母さんを助けるために献血に協力をしようと決意したあなたがするべきは、次のような行動です。

1. 患者のいるAAA病院に出向く

献血に来た旨を伝え、献血ルームに入ります。

2. 献血をする

献血の方法は日本と同じです。

体温、体重、血圧などを測り、献血ができるかどうかの判断を待ちます。

献血OKだったら、献血用のベッドに登り、血を抜いてもらいます。

3. 血液を寄付したい人の名前を記入する

献血をしたら、その血液を提供したい患者の名前を用紙に記入します。

この場合、献血をしたその病院に入院中の「Mr.****のお母さんの名前」を記入します。

自分とお母さんの血液型が同じでなくても問題ありません。

患者さんと自分の血液型が違う場合は、患者さんと同じ血液型の別の人の献血パックと交換して、患者さんに輸血してもらえます。

AB型など珍しい血液型の場合、その病院に献血パックのストックがない場合があるので、「AB型の方は是非ご協力を」という感じでメッセージに添えられていることもあります。

フィリピンで献血するときのプチアドバイス

献血の方法自体は、日本もフィリピンも同じなのですが、違うのはその量です。

日本だと400mlが標準でその他、成分献血や200mlの献血などもありますね。

フィリピンの献血パックは450mlの一択なのですよ!

でかい!

しかも、フィリピン人は日本人より小柄なのに!

献血をされる方は、小柄な方、細身の方は献血後ふらつくかもしれませんので、控えておいたほうが無難です。

実際筆者も、患者さんの病院まで出向いたものの、その日は血圧が非常に低く「献血NG」の診断が下ったことがありました。

まとめ

フィリピン病院事情を実体験を中心にお伝えしました。

フィリピンでの生活の中で病院と関わるときのイメージが膨らんだなら幸いです。

はじめて異国の病院に行くときは多少の不安があるかもしれませんが、フィリピンについては日本の医療の方法や医療器具とほぼ同じという体感です。

過度な不安は不要なので、心配しないで大丈夫ですよ。

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