
保育園落ちた。日本死ね!
待機児童問題は日本だけの問題ですか?
厚生労働省の資料によると保育園に落選してしまった待機児童数は、平成30年10月時点で47,198人とされています。
我が家もそんな待機児童のいる家庭の一つです。
「日本の待機児童問題はどうしたら解消するのだろう」と悶々と考えていらっしゃる方も多いことでしょう。
私がよく知っている国で「待機児童数ゼロ、女性は出産後全員2ヶ月で復職」する国があるのです。
良さそうに見えますよね?
この国はフィリピンです。
フィリピンに在勤・在住経験のある筆者ミミウサが、フィリピンで待機児童ゼロをどのように実現しているのかご紹介します。
フィリピンの出産・育児事情
私がフィリピンに在住・在勤していた期間は4年間です。
その間、多数のフィリピン人同僚と仕事をしてきました。
フィリピンの出産・育児事情の特徴は次のとおりです。
- カソリックの国で堕胎がタブーであるため、シングルマザー・ファーザーが本当に多い!
- 一般企業において育児休暇は2ヶ月。
いや、育児休暇という概念がなく、産前・産後休暇のみです。
フィリピンで待機児童ゼロはどのように実現しているか
シングルマザーが非常に多くかつ、産後2ヶ月で全員が復職するフィリピンにおいて、保育園の待機児童ゼロはどのように実現しているのでしょうか?
答え「住み込みのナニーに子供の面倒を見てもらっているから」
フィリピンにも保育園は数は少ないですがあります。
ただ、私のフィリピン人の同僚・知り合いでは保育園を利用している人はいなかったです。
フィリピンではナニーを雇うのが一般的
フィリピンではナニー(yayaと呼ばれています)を雇い、子供の面倒を見てもらうのが一般的です。
もちろんナニーを雇える財力のある家庭のことで、財力のない家庭はおじいちゃん・おばあちゃんはじめ親戚が子供の面倒をみています。
フィリピンは基本的に大家族で、4人5人兄弟は当たり前、お隣ご近所さんに祖父母からいとこも皆住んでいるという状態です。
親戚ぐるみで子供の面倒を見る文化があるということですね。
財力のあるご家庭では、親戚一同はもちろんいますが、”子育てという仕事をする人として”ナニーを雇います。
フィリピンのナニーの給料や勤務条件
フィリピンの一般的な住み込みナニーの給料と勤務条件を見てみましょう。

週6日勤務、日曜日が休み。
雇用主の家に住み込み。
月給4000ペソ~5000ペソ(約8,360円~10,450円)
約8,360円~10,450円は日給ではありません。月給ですよ。
カソリックの国ですので、唯一のお休み(お休みと言っても住み込みなので、自分の故郷/実家に帰れるわけではありません)である日曜日は、教会に行きます。
フィリピンで待機児童ゼロを実現しているのは超給料格差
このような給料と勤務条件でつきっきりで保育をしてくれる人材が雇えるからこそ、2ヶ月での復職も、待機児童ゼロも実現できているのですね。
ナニーは主に貧困地域の出身です。
この圧倒的な貧困格差がないと、住み込みナニーなど実現しません。
保育園がほぼないのでナニーがいないと、だれも仕事にはいけません。
待機児童ゼロの背景に圧倒的な給与格差があると知ると、手放しにフィリピンの待機児童ゼロが羨ましいとは思えなくなりますね。
日本で待機児童をゼロにするには
フィリピンの保育事情の紹介が、超格差による待機児童ゼロ実現の具体例の紹介になってしまいました。
日本で待機児童をゼロにしようと思ったら、保育士など子供の保育をしてくださる人材の給料を引き上げ、保育士の母数を増やすことしか方法はないことが見えてきますね。
実際に↓保育士さんの給与や待遇を引き上げることで、求人を募るエージェントが多く出始めているのは個人的には、望んでいた動きです。
まとめ
フィリピンという国がどのように「待機児童数ゼロ、女性は出産後全員2ヶ月で復職」を実現しているか紹介しました。
単に待機児童をゼロにすれば良いのではなく、どのようにゼロにするのかが最も重要ということを知っていただけたのなら幸いです。
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